小笠原諸島旅行記③〜二日目中編〜

接岸後、ついにおがさわら丸の乗船口の扉が開かれる事となった。
扉前の船内ロビーには、扉が開かれる事をいまかいまかと待ちわびる乗客たちで一杯になった。
航行中はあまり気にならなかったが、こんなに沢山乗っていたのかと改めて感じた。

港に降り立ち、すぐ目の前にある待合所的な建物を通り抜け、これから3泊お世話になる宿へと向かう。
出迎えに来ている宿もあったが、僕にはそんな出迎えがあるはずもなく。
何故なら今回泊まる宿は港から一番近いのだ。
港の前の横断歩道を渡ってすぐの「民宿がじゅまる」が今回お世話になる宿だ。
民家風の玄関を開けると、フジコ・ヘミング風のおかみさんが出迎えてくれた。
電話口での印象通り、口調から風貌までフジコ・ヘミングそっくりだった。
受付を済ませ、部屋へと向かう。二階の一人部屋である。
二階には全部で4部屋あった。
建物全体は古さが目立ちつつあるが、掃除は行き届いていた。
軽く荷物を整理し落ち着いたところで、これからの予定を決めなければ。
フジコさんに「待合所に観光案内所があるわよ」と教えてもらったので、早速行ってみることにした。
船は荷下ろしの作業をしていたが、先ほどまで大勢いた人だかりはすっかり引いてしまい
待合所の中はしんとしていた。
観光案内所のおばさんに何も決めずに来てしまった旨を告げると
何枚かパンフレットを引っ張り出してきて、いくつかおすすめのコースを教えてくれた。
小笠原のアクティビティーは主に海か山に分かれる。
海ならば船を持っている業者に、山ならば個人のツアーガイドに申し込むのが通常で
基本的に、好き勝手に海や山で遊ぶことは出来ないと言ってもいい。
とりあえず2日目に山、4日目の午前中に海に行こうと決める。
山は「オガツアー」という個人のツアーガイドさんに申し込む事にした。
電話を掛け、明日のツアーを申し込むと「朝8:30に宿まで迎えに行きます」との事。
次に海の業者に電話してみたが、1件目はその日ツアー自体やっていないそうで、あえなく撃沈。
それもそのはず。
一月後半の小笠原は閑散期の中の閑散期らしく、島全体が心なしかひっそりしている気がした。
ツアー自体もそもそもの参加者が少ないので、催行もされなかったりするらしい。
その後2件目に電話し、無事シュノーケル体験的なものに参加することになった。
何故ダイビングではなくシュノーケルなのかと言うと、マリンスポーツ自体あまり経験が無いので
いきなりダイビングはいささかハードルが高すぎた。
あと、初心者はいきなりダイビングでは無くて、講習的なものから始めると思うので
出来れば本土でそれらの講習を済ませてしまった方が良いと思う。
もちろん、小笠原でも一から始める事は出来るし、そういうツアーもあるにはあるが
より小笠原の海を楽しみたいなら、事前の練習をおすすめします。

思ったより長くなったので、後編に続きます。