小笠原諸島旅行記②〜父島とおがさわら丸〜

本編に行く前に小笠原諸島・父島まで行くおがさわら丸について書いておきたい。
小笠原に興味の無い人には謎な存在のおがさわら丸(僕も以前はそうでした)
そんなおがさわら丸は実は昨年三代目に代替わりし、新しくなった。
小笠原に行くにあたって、他の人のブログ等を参考にしていたが
先代のおがさわら丸の情報が多く、三代目についてはまだまだ記事が少なかったのである。
そのため、今後の参考になるようにおがさわら丸について詳しく書いてゆきたい。

※父島の人からは「おが丸」と呼ばれているので、今後そう書きます
 (あと、全部書くのが結構メンドクサイ)

そんな初代おが丸、東京・竹芝桟橋から父島・二見港まで約1,000キロを24時間で結ぶ。
初代は28時間、二代目は25.5時間掛かっていたので1.5時間短縮した形となる。
運航スケジュールは六日で一往復が基本。
もっと詳しくいうと

一日目11:00 東京発
二日目11:00 父島着
三日目    父島泊
四日目    父島泊
五日目15:30 父島発
六日目15:30 東京着

六日のサイクルなので、段々曜日がズレてくるので、船会社である小笠原海運のHPで確認してもらいたい。
また、大型連休中は父島に泊まらずピストン輸送してくれるが、往復で丸二日は絶対かかるので
着いたおが丸でそのまま帰る場合は除いて、結局は丸六日のスケジュールとなる。
ちなみにこのサイクルを小笠原用語で「一航海」と呼ぶ。
旅行客は一航海で滞在する人が多く、お金も時間もある人は二航海以上滞在するらしい。
ただしこのスケジュールは海況によって直前に変更されることもあるので、注意が必要。
実際、自分が行った便のひとつ前の便が、低気圧の影響で一日早く東京へ帰ってしまった。
台風の際は時間をズラして出発することもある。
なぜ、そうするかというと、おが丸は島へ物資を運ぶ船でもあるので、極力欠航はしないようにしてるそうだ。
そのため、定時運行できる保証はないけど、欠航自体は少ない事になる。
これには他にも理由がある。
小笠原海運の親会社である東海汽船は、伊豆諸島への船便を運航しているのだが、欠航が非常に多い。
その理由は伊豆諸島の島々の港は外洋に直接面している所が多く
海が荒れている場合は港に近づけても、接岸することが出来ない(からだと思う。想像です)
逆に、父島の二見港は天然の入り江の奥の方にあり、その結果外洋の影響をあまり受けず
父島に着けば間違いなく接岸出来るからだ(これも想像)
前述したように、アクシデントにより滞在期間が短くなってしまうことがある。
そんな時に、例えば
「せっかく予定立てたのに台無しじゃない!いったいどうしてくれるのよ!!お金返して!!!」
とか思ってしまいそうな人は、小笠原への旅はおすすめしない。
何故なら小笠原では自分の意志ではどうにもならない事が他にもあるからだ。
ゆとりある気持ちで臨まないとストレスばかりの旅になってしまうと思われる。
ちなみに、一般人が父島まで行くにはおが丸を使うしかない。
他の島みたいに船がダメなら飛行機で、あるいは翌日の便でとかは出来ない。
遅れたからといってお金が戻ってくる訳でもない。
おが丸で行き、おが丸で帰るしかない。
また、父島と父島から船で行くしかない母島は生活のサイクルがおが丸に左右されていると言っても過言ではない。
父島に停泊していない時は営業しないお店とかもあるくらいだ。

次に船自体について
先代おが丸は約20年で退役することになった。
退役間近の写真を見る限りまだまだいけそうな感じではあったが
現地でお世話になったツアーガイドの方いわく
船内のシャワー室のカーテンが「口で表現してはいけないくらい気持ち悪い状態になっていた」
ようであり、見えないところで色々限界だったのかもしれない。
代わって登場した三代目おが丸は、日本の造船技術の粋を集めた最新の船であり、様々な技術を駆使して作られている(らしい)
特に船首を垂直にする「垂直ステム」は推進効率を高める事に貢献しており
エンジンの出力は先代と変わらないのに、所要時間を短縮する事に成功している。
また、船のサイズも先代と比べて1.6倍大きくなっている。
他にも色々あるが、これから先は君の目で直接確かめてくれ!

また、気になることは「揺れるか」である。
僕も海をはしる船は乗ったことが無く、揺れに対しては未知数だった。
ただ、おが丸にはフィンスタビライザーなる装置が装備されているらしく、横揺れを大幅に軽減してくれるらしい。
(逆に言うと縦揺れに対しては無防備なのだが…)
小笠原海運には航海中の揺れに対しての質問が数多く寄せられているのか
HP内の「よくある質問」のページになんとも曖昧な表現でこう記載されている

Q.船は揺れませんか?

A.ご利用いただく船は、おがさわら丸(11,035トン、全長150メートル)です。
おがさわら丸は、東京から小笠原・父島まで約1,000キロを結んでいます。外洋を航行しますので、全く揺れないとは言えません。
しかしながらおがさわら丸は、高出力のエンジンを2基備えた11,035トンの、この航路仕様のために建造された貨客船です。
特に横揺れ防止装置のフィンスタビライザーを装備しており、揺れを大幅に軽減しています。

小笠原海運HPより)
全く揺れないとは言えない…
全く揺れないとは言えない…
全く揺れないとは言えない…つまり揺れるのである。
では、船酔いとかの対策は?

…と書きたいところだが、書くのに疲れたので、次回へ続く


父島・二見港に停泊中の三代目おがさわら丸