2013年、初雪。

今日、東京にも初雪が降った。朝からしんしんと降り積もった。
一人暮らしとして東京に住んでもう十年近くになるけど、今日ほど積もった事は記憶にない。
つまり、東京基準でいえば大雪である。

昼、行きつけのつけ麺屋に行った。自転車で。
例年の積雪なら自転車でも大丈夫という判断だが、今日の雪は違った。
午前中の時点で相当積もっていたし、現在進行形で降り続いているので
頼みの綱である自動車のわだちもすぐに消えてしまうのである。
そんなこんなで自転車でラッセルしながらつけ麺屋に行った。途中で遭難しそうになりながら。

帰り道はもっと悲惨だった。雪は相変わらず降り続けている。
僕は、せっかく自転車できたのだから、と意地でも自転車に乗って帰ることにした。
ところが、そのスピードはハエが止まる程遅い。
何しろ、小学生連れの親子(徒歩)にもあっさりと抜かされる有様なのだから。
途中、自転車整理のおじさんから「今日は自転車はキツいだろ〜!」と声を掛けられる。
「はぁ、今回の積雪は想定外の量ですね…」と答える。
でも、「こんな雪の日に自転車整理してるおじさんも変でしょ。今日くらい休みなよ」と言いたくなった。
この時点でやっと気がついたけど、自転車に乗っている人を見かけない。
週末ともなれば自転車で一杯の駅前にも関わらず、である。
普段は椅子取りゲーム状態と化している駅前の駐輪スペースも、今日ばかりは閑散としている。
つまり、こんな大雪の日に自転車に乗っている馬鹿は周囲を見渡す限り僕だけなのである。

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雪が積もると思い出す事がある。
僕は、小学生時代の殆どを茨城県つくば市で過ごした。
つくばでの小学校時代はとても濃いものだったと今でも思う。
なぜ濃かったのかを言葉で説明するのは難しいけど、とにかくその濃度ときたら
当時の全国の小学生の中でもずば抜けていたと思う。幸い、良き友人達にも恵まれた。
そんなつくばを来年三月限りで去ることを、ある時親から告げられた。確か、小学六年生の冬休みの前の事だったと思う。
まあ、元々親の都合でつくばに来た訳だし、いづれつくばを去ることは何となく分かっていたけど
いざそれを告げられると、ものすごく悲しかった記憶がある。
そして、新しい年を迎えた。1998年のことである。
(おぼろげな記憶だけど)新年を迎える頃には、徐々につくばを去る決心みたいなことが出来つつあったと思う。
そんな西暦1998年の冬は大雪が降った(記憶がある)。

つくば市というと、皆さん何を思い浮かべるだろうか?
やはり筑波山だろうか。いや、筑波研究学園都市の宇宙センターかもしれない。
僕のばあい、つくばと言えば一番に思い浮かべるのは芝畑である。
前にもこのブログで書いた事があるかもしれないけど、つくば市は芝の生産で有名だ。
市内には至る所に芝畑がある。
芝畑は一応畑であり、商品になるものであるが、つくばの小学生はそんな事はお構いなしに芝畑で遊ぶ。
僕らも野球やらサッカーやらを芝畑で勝手に楽しんでいた。
僕の家の前もまた、一面の芝畑であった。

そんな芝畑に大雪が降った。1998年の事である。
雪は芝畑に積もった。普段ならすぐに溶けてしまう雪もこの年は違った。
日を空けて雪が降り続ける。降り続けた雪は芝畑を雪原へと変える。
3月位まで芝畑には雪が残っていた記憶があるが、実際には一週間ぐらいで雪は消えていたのかもしれない。
「かもしれない」というのは、子供の頃の記憶というのは往々にして、長く感じるものだからだ
それでも、小学生の僕にとっては、とてもとても長い間雪が積もっていた記憶がある。

その一面雪の、雪以外何にもない芝畑と、子供心につくばを離れる決心をしかけた僕の心が
その時、何故かシンクロした気がしたのだ。
(これ以上は自分の文章力では表現するのが難しい..)


毎年、雪が積もる度にこんな事を思い出す。もう15年も前の事なんだけど。


参考までに。。「1998年 大雪」で検索したら動画が見つかった。
やはり1998年は大雪だった!?
当時の記憶がある方はコメントお願いします!




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