謎土手、その真実。

11月に入りいよいよ秋が深まってきた感のある今日この頃です。
今回は謎土手の謎に本格的に迫ってみました。


今日も平和な謎土手。

謎を解く手がかりの一つは導水管です。
導水管は謎土手の脇を走る多摩湖自転車道の真下にあります。
多摩湖及び狭山湖から武蔵野市にある境浄水場に水を供給する目的で1920年代に造られました。

これを手がかりに現地を見てみることにします。


謎土手の上は自転車禁止!


土手上にある木

土手自体には手がかりを見出せなかったものの、真下を石神井川が流れている事に気がつきました。


分かりづらいが、川。

石神井川についての詳しい説明はここでは省きますが、源が近くにあるので水の量が少なく
自転車に乗っているだけではなかなかその存在に気がつかないかもしれません。
しかし小さい川でも川は川であり、昔から存在している事は容易に想像できます。
そして謎土手の下を貫いているので、謎土手は石神井川より後に出来た事が分かります。


水が流れていなくても、川。

勘の良い方ならここでもうお気づきかと思いますが、謎土手の中には導水管が通っています。
この辺りは石神井川がある影響で小さい谷になっています。
谷に沿って管をひくと何らかの不都合(石神井川とぶつかってしまう等)が生まれてしまうので
わざわざ土手を造ってそれを回避したのだと思います。
東京都水道局から正解を聞いた訳ではないですが、これがほぼ答えとみて間違いないと思います。

ってことであっさり解決(笑)もうちょっと難しくてもよかったかな?

今回謎土手を調べているうちにある写真に辿り着きました。


(国土地理院 国土変遷アーカイブ空中写真閲覧システムより引用)
白い真っ直ぐな道が現在の多摩湖自転車道。左の部分が昔の謎土手。左手が小平方面。

撮影年月等は不明ですが、注釈で「軍部撮影」となっていたので戦前の写真だと思います。
方向もよく分からない写真なんですが、現在の地図と見比べると確かに謎土手だと分かりますね。
周りの風景も現代とはだいぶ違っているようにみえます。そこには小金井公園も田無タワーも団地もまだありません。
謎土手が出来て100年弱。その時間を長いと捉えるか、短いと捉えるかはその人次第だと思いますが
少なくともその間の多摩の変化を謎土手は見届けて来たのだ、とこの写真を見て思いました。

(参考までに付近の現在の地図)

大きな地図で見る


謎土手よ、これからもよろしく!




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